可児市にお住まいのお客様より、突風の影響でテレビアンテナが倒れ、そこから雨漏りが心配だというご相談をいただきました。実際に調査を進めると、アンテナの倒壊も一因ではあるものの、より大きな要因は経年劣化による棟部分の不具合でした。屋根の状態は時間とともに変化し、気付かないうちに雨水の通り道ができてしまうことがあります。今回はその実例として、調査から工事完了までの流れをご紹介します。

現地調査の様子

桟瓦のズレ

画像では桟瓦が押し出されるようにズレており、瓦同士の噛み合わせが弱くなっている状態が確認できます。この小さなズレが雨の吹き込みを招き、内部の木材を傷める原因になっていました。職人が瓦の浮き具合や周辺の劣化も丁寧にチェックし、どこまで補修が必要か慎重に見極めます。表面だけでは判断できないため、細かな部分まで確認することが非常に重要です。

倒れたテレビアンテナ

屋根全体を見下ろすと、アンテナが完全に横倒しになっている様子がはっきりと分かります。風の強さが想像できる状況で、アンテナの重みが屋根に負荷をかけていたことも懸念点でした。倒れたアンテナはそのままにしておくとさらに瓦を傷つける恐れがあるため、安全確保を優先しつつ撤去の段取りも同時に進めました。お客様も現状を見て原因がイメージしやすくなり、安心されたご様子でした。

棟部分の大きな隙間

棟瓦の内部を確認すると、目視でも分かる大きな隙間が発生していました。内部の土が崩れ、下地材が露出してしまっているため、風雨の影響を直接受けてしまう危険な状態です。このような隙間があると、雨漏りが起きるのも時間の問題といえます。職人も「ここは早い段階で手を入れる必要がある」と判断し、最適な補修方法を検討していきました。

工事の様子

棟瓦の撤去と下地補修

工事ではまず既存の棟瓦を丁寧に取り外し、内部の傷んだ部分をすべて確認します。写真のように下地木材を新しく交換し、強度をしっかり確保していきました。古い屋根では下地が湿気で弱っていることも多く、ここを正しく補修することで長持ちする棟になります。職人が細かい寸法まで気を配り、屋根全体に負担がかからないよう慎重に作業を進めていきました。

新しい下地の設置

次に棟部分の芯となる木材をまっすぐに取り付け、瓦を固定するための準備を整えます。画像では新しい木材がしっかりと据えられている様子が確認でき、安定した棟を作るための重要な工程になります。ここが曲がったり弱かったりすると後の仕上がりに影響するため、職人が角度や高さを何度もチェックしていました。工事中もお客様の不安を減らすため、進捗状況を適宜ご説明しながら進めています。

面戸シール材の設置と棟瓦の復旧

棟の土の代わりとなる防水性の高いシール材を瓦の下に施工し、雨の侵入をしっかりと防ぎます。写真では均一に貼られた面戸シールが確認でき、これにより強風でも剥がれにくい丈夫な棟が完成します。仕上げに棟瓦を一枚ずつ丁寧に戻し、固定金具でしっかりと締め付けていきました。作業後の棟は見た目も整い、施工前とは比べものにならない安定感があります。

まとめ

今回の工事では、突風によるアンテナ倒壊がきっかけではありましたが、根本的な原因は棟部分の経年劣化でした。補修後は屋根全体が安定し、お客様からも「これで雨の日も安心して過ごせる」と喜びのお言葉をいただきました。住まいは気づかないうちに劣化が進むこともあるため、少しでも不安を感じたときは早めの点検がおすすめです。可児市周辺で同じようなお悩みがありましたら、街の屋根やさんまでお気軽にご相談ください。

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