更新日：2023年09月28日

　2023年10月より有資格者によるアスベストの事前調査報告が義務化となりました。今回は、アスベスト含有の事前調査について簡単に解説します。

事前調査が必要になった背景

　 　アスベストによる健康被害が問題となり、1989年に大気汚染防止法が制定されて以降、アスベストに対する規制が段階的に厳しくなり、2006年（平成18年）９月以降は製造・使用ともに禁止されました。 　2006年以前に建築された建物には、アスベスト含有建材が使用されている可能性があります。そうした建物が耐用年数を迎え、アスベストの有無が分からないまま解体や改修・改築などの工事を行った場合、アスベスト粉塵が飛散し、人体に多くの悪影響を及ぼすだけでなく、環境汚染にも繋がる危険性が考えられます。 　特に高度成長期に建築された建物が2020年以降、一気に耐用年数を迎えると予想されており、このような背景から、2021年4月1日の法改正で「アスベスト含有建材の有無に関わらず調査結果を都道府県に報告すること」が義務化となりました。

大気汚染防止法の石綿（アスベスト）規制改正の流れ

【2021年】規制対象建材を拡大：「レベル3＊」の石綿（アスベスト）含有建材も規制対象に追加 　　　　　※住宅屋根用化粧スレート、窯業系サイディング、ロックウール吸音天井板などが該当 石綿含有建築物の解体、改修工事に際して事前調査方法の法定化 作業記録の作成・保存を義務付け 【2022年】石綿事前調査結果報告システムによる調査報告が義務化（詳しくはこちら） ※工事請負業者が事前調査の結果を労働基準監督署と各自治体へ報告 【2023年】建築物石綿含有建材調査者による調査報告が義務化 ＊「レベル3」とは、レベル1 またはレベル2 のアスベスト含有建材に比べ相対的にアスベストの飛散性は低いものの、除去作業時に破砕や切断する際に不適切な取扱いをした場合、アスベストが飛散する恐れがあるといわれています。

対象となる工事とは？

　 ●建築物の解体対象の床面積が80平方メートル以上の工事 ●請負代金の合計額が税込みで100万円以上の建築物の改造・補修工事 ●請負代金の合計額が税込みで100万円以上の工作物の改造・補修工事 　一般住宅も、上記に該当する場合は事前調査結果の報告対象となります。屋根や外壁、防水の改修工事も100万円以上の場合は事前調査結果の報告対象となります。

2023年10月から、アスベストの事前調査を行うには一定の資格要件（以下のいずれか）が必要になります

●一般建築物石綿含有建材調査者（一般調査者） ●特定建築物石綿含有建材調査者（特定調査者） ●一戸建て等石綿含有建材調査者（一戸建て等調査者） ●義務付け前に一般社団法人日本アスベスト調査診断協会に登録されている者 　私たち街の屋根やさんのスタッフは「建築物石綿含有建材調査者」の有資格者です。リフォームやメンテナンスをご検討にあたり、アスベストに関する不安がある場合でも、お気軽にお問合せ下さい。