更新日:2021年09月16日
建物の名称で「破風(はふ)」は、耳馴染みのない言葉かもしれません。普段、目にしていても建物の部位の名称までは知らない事が多いです。今回は「破風(はふ)」について簡単に解説します。
「破風(はふ)」はどこにある?
破風は、
切妻屋根のケラバの端(下)の側面部分のことです。雨樋の付いていない側というと分かりやすいかもしれません。破風板は、文字通り「風を破る板」で、お住まいを風から守ることを目的で取り付けられています。ほかにも「
耐火性」・「
美観性」・「
外壁保護」の役割もあります。日頃から風雨などに直接晒されている部分ですので、劣化しやすく、
定期的なメンテナンスが必要なです。
破風板の材質
これまで使用されていた破風板の多くは「
木材」でした。耐風性や雨水への対策を考えて、破風板には強度があり、ある程度の厚みを持った木材が使われていました。最近では、
耐久性や
耐火性の観点から、
窯業系不燃性(サイディング)の破風板を用いるのが
一般的となっています。また、ガルバリウム鋼板などの
金属製のものもあります。外壁がモルタルのお家の場合、軒天・鼻隠しと一緒に
モルタル(下地の上にモルタルを塗る)仕上げになっているものもあります。
メンテナンス
破風板は、屋根・外壁と同様に雨風などの影響を強く受ける場所です。そのため、屋根や外壁よりも早く劣化する場合もあります。
破風部分の修繕方法は、状態により「交換」・「塗装」・「板金巻き」があります。交換の場合は「窯業系破風板」を使用することが多いです。「
板金巻き」とは、破風板に
ガルバリウム鋼板を巻く工法です。
ガルバリウム鋼板を巻くことで、腐食もなく、再塗装によるメンテナンスの必要がなくなり
費用対効果が高くおすすめです。
再塗装によるメンテナンスも
一般的ですが、
美観はもちろん、破風板本来の役割を果たすためには、ランクを落とすことなく屋根で使用する塗料と同等のもので塗装することをおすすめします。
また、破風部分のメンテナンスには、足場が必要となります。工事内容によっては、工事費用より足場仮設費用の方が高くなってしまうことがあります。そのため、
足場仮設をする場合は、近い将来、メンテナンスが必要になる箇所があれば、改めて足場仮設代が掛かることを見越して、出来る限り一緒にメンテナンスされることをおすすめします。