更新日：2023年05月10日

茅葺屋根とは何か？

茅葺屋根の歴史と特徴

　茅葺屋根は、日本において古くから使用されてきた屋根材の一つであり、その歴史は古く、縄文～弥生時代にまでさかのぼります。

　茅（かや）と呼ばれるイネ科の植物（実際には、ススキやチガヤなど、屋根材として使用される植物の総称）を使用して葺かれるため、自然素材である点が大きな特徴です。風通しがよく、夏場には涼しく冬場には暖かく保てることがメリットとなります。

　一方で、葺き替えの頻度が高く施工技術にも高度な技術が必要となるため、一般的な建築資材と比べると、メンテナンスや施工には注意が必要です。

茅葺屋根のメリットとデメリット

メリット

・自然素材を使用しているため、環境に優しい

・風通しがよく、湿度が高い日本に適している

・断熱性が高いため、夏は涼しく冬は暖かい

デメリット

・施工に高度な技術・知識が必要になる

・メンテナンスが必要になる頻度が高いため、維持コストがかかる

・火災や台風等の災害に弱い

茅葺屋根の劣化とメンテナンス

茅葺屋根の劣化とその原因

　茅葺屋根は、素材が自然素材であるため、経年劣化が起こりやすく、維持管理が必要です。茅葺屋根が劣化する主な原因として、以下の点が挙げられます。

風雨や紫外線による経年劣化

　茅葺屋根は、直射日光や風雨にさらされることで、茅葺きの草が乾燥し、脆くなってしまいます。そのため、茅葺きの草が切れたり、抜け落ちたりすることがあります。

樹木や落ち葉の付着による防水機能の低下

　茅葺屋根の上に樹木が枝を伸ばしたり、落ち葉がたまったりすると、雨水がたまってしまい、茅葺きの草が腐ってしまうことがあります。また、茅葺屋根の表面にはコケやカビが生えやすく、これらも防水機能の低下につながります。

茅葺屋根のメンテナンス方法と頻度

　茅葺屋根は、劣化が進むと藁が抜け落ちていきます。そのため、定期点検によって劣化の進行を把握し、修繕を行うことが必要です。

　茅葺屋根の定期点検時に行うメンテナンスについては以下のようになります。

・表面の清掃：苔やカビ、落ち葉などを取り除く。

・茅の補修：茅が抜け落ちた部分を補修する。

・縁板や棟板の修繕：縁板や棟板が腐食している場合は、修繕する。

　茅葺屋根のメンテナンス頻度については、年1回ほどのペースで点検されることをおすすめします。ただし、建物の立地条件や気候条件によっては、より頻繁な点検が必要な場合があります。また、茅葺屋根の補修や修繕が必要になった場合は、早急に対処することが重要です。

茅葺屋根のリフォームについて

現存する茅葺屋根の建物は、少なくない築年数が経過しているものがほとんどです。そのため、屋根下地まで傷みが及んでいるケースも多く、屋根カバー工法や葺き替え工事等をおすすめすることが多いです。茅の補修が可能な業者が少なくなっていることと、茅の補修費用が高額になることも理由の一つです。

茅葺屋根の施工業者の選び方

茅葺屋根は、素材や技術が特殊であるため、施工する業者には特別な知識と技術が求められます。そのため、茅葺屋根の施工実績があり、茅葺屋根に関する知識や技術を持った職人がいる業者を選ぶことが重要です。

街の屋根やさんでは、茅葺屋根の施工実績や経験が豊富なスタッフが数多く在籍しています。茅葺屋根の扱いやメンテナンスでお困りの方、他社に施工を断られてしまったという方は、ぜひ一度、街の屋根やさんへご相談ください。