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新居浜市の釉薬瓦屋根の現場での全体点検で漆喰詰め、瓦の破損やズレの補修を行いました。
更新日:2024年3月15日
みなさんこんにちは。
街の屋根やさん新居浜中央店の合田です。前回は落ちた瓦の差し替えをするにあたり、長い時間雨を受けて屋根板や破風を取り替える必要があり、
その修繕の様子をご紹介しました。
今回は加えて全体点検を実施した際一緒に補修しておくべき箇所の修繕様子をご紹介します。家のメンテナンスにかかる費用は結構かかります。計画的に治せる部分もあれば、突発的に治さないといけないこともありますね。屋根トラブルは基本突発的に起こる方が多いです。その都度、その都度よりは1回で直すべき部分は一緒に直しておいた方がお得です。
前回ブログ
新居浜市で角瓦の破損による、屋根板、破風、鼻隠しの取り換えと瓦の復旧をしました。
最初は瓦の差し替えです。
釘の錆びによる釘割れが4,5枚ほどありました。
まずは割れた瓦を取り除けます。取り除けはそのまま瓦を抜いたり、細かく割って除けたりします。
割る場合は割る瓦の下に重なっている瓦に衝撃を与えないようにします。割る瓦を持ち上げて割ることで問題は解消します。そのまま割ると下の瓦や横の瓦に衝撃が伝わり、ヒビや割れが起こってしまい材料や作業が増えてしまいます。
瓦を引っかける桟木と刺さったままの錆びた釘です。
前述で瓦はそのまま除けたり、割ったりと言いました。
主にそのまま除けれるのは、釘を打っていない瓦、もしくは写真のように釘が効いていない場合です。ただし釉薬瓦の場合、多くは桟木に瓦を引っかけて釘を打っています。
(物件によっては土葺きだったり、数枚に1枚しか釘を打ってない場合もあります。)
釘が効いていないと瓦は取り除けやすいですが、頭の無い錆びた釘が残ってしまう場合があります。これ結構厄介です。後々新しい瓦を入れる時に引っかかって入りません。入ったとしても浮きます。釘が残った場合はペンチで抜くか釘切りで桟木と同じ高さまで切ります。
下の瓦の釘も錆びているので、この機会に新しくしました。
釘割れは施工時に使った釘の種類や錆び方、錆びる要因を受ける程度でバラツキはあります。ですが少なくとも施工時に使用した釘は同じですから割れてなくても同じように錆びていることは多いです。数枚のことではありますが、こういう時に釘を変えておくのも気配りです。(現状割れてない場合ですが)
プラスで釘穴に
コーキングを付けて吹降りによる雨水侵入も防止しておきます。
新しい瓦を差し替えます。
今回は予備瓦があったのでそれを使用しました。瓦があれば瓦代が浮きます。
差し込むにあたって本来上に重なっている瓦を浮かせます。
差し込むときに手を使うので金づちの柄の部分や割れた瓦の破片など挟み込む
事が多いです。
奥まで差し込んで型が合う位置に持っていければOKです。
重なる瓦をある程度持ち上げないと中の桟木に当たって奥まで入りません。
もちろん元々瓦を引っかけるために打っていますから桟木を超えないときちんと入りません。
難しい場合は瓦の引っかけ部分を金づちでカットして滑り込ませるように入れます。
入れ込んだら片にコーキング。できれば釘穴も少し塗布できたらいいです。上に瓦がありますので釘は打てません。その代わりにコーキングで接着します。
差し替えはこんな感じです。残り5枚も差し替えました。
瓦職人であれば瓦の差し替えは基本中の基本です。
今回は防災じゃない和型の瓦で釘の効きも落ちていたため差し替えしやすかったです。
今はステンレスのスクリュー釘で防災ロックも付いている瓦が主流です。瓦同士がかみ合っているので強い台風でも耐えられるように強化されています。ただしロックで合致しているのとスクリュー釘がしっかり効いているので、差し替える時に重なっている瓦がもちあげにくく入れ込みにくくなっているため差し替えはやりにくくなっています。
棟際のひび割れはコーキングでひび割れを防水処理しました。
ここは棟が積んである真下なので瓦が持ち上がらず差し替えするには棟を部分撤去しなければなりません。右写真のように瓦1枚の差し替えでも棟は千鳥葺きで積み上げているので
ひび割れ瓦1枚を取り除けるのに
赤い範囲の棟を取り除く必要があります。
もちろん取り除くだけでなく、差し替え後は復旧になるので、かなり時間と費用があがります。棟の修繕がメインか!になるくらいです。このように棟下や壁際下のひび割れはコーキング処理の補修の方が多くなります。
漆喰の塗り直し。単純作業に見えるが意外と工程踏みます
次に漆喰剥がれの塗り直しです。
漆喰の塗り直しは4つの工程で実施します。
・既存漆喰、あるいはモルタルを除去して土を露出・モルタル接着液を薄めて土に浸み込ませる。・1度目に薄く漆喰の粗塗り・2度目の本塗(少しだけなら1度塗り)今回は既存モルタルが既に無かったので接着液の塗布から行います。
液だれするのでしっかり拭き取ります。
コテで漆喰を詰めてならします。
たまに既存のモルタルを付けたまま上塗りする業者もおりますが、上塗りしても元々のモルタルと土の接着が弱くなっているので外側からの水には強くても、内側の耐久は結局変わっていないので、古いモルタルが剥がれたら一緒に剥がれ落ちます。また厚塗りになってしまい瓦の外幅に近くなると雨が内側に舞い込みやすくなります。漆喰が劣化してクラックが入ったりすると雨水が漆喰の内側に侵入するリスクが高まります。
漆喰も初めは同時期に施工されていますが場所によっては日の当たり方や
雨風に打たれる度合いは場所によって異なりますので剥がれ落ちるタイミングは
それぞれです。
15年20年経つと漆喰はメンテナンス時期に入ります。点検時には剥がれている部分、剝がれやすくなっている部分、問題ない部分が出てきます。部分的な塗り直しも可能ですが、すぐに別箇所が剥がれる場合もありますのでこの機会に一気に塗り直す方がお得です。
最後に増改築時にてを付けている屋根の軒先部分です。
増築にあたり一度瓦を取り除けて軒先を短くして戻しているため
軒先には板金を巻いて復旧しています。
軒先は軒瓦を使用していますが、おそらく元々あったヒロゴ(軒の立ち上げ木)
が短くなった時に一緒に破棄したと思われます。
ヒロゴが無い分軒瓦は前に傾き、釘も錆と引っ張られ効き目がなくズレた状態です。
軒瓦は風の影響を受けやすいので2段目まで瓦を取り除けます。
防水シートを敷くので軒先の桟木を取り除けます。
軒先から桟木までの流れの寸法を測ります。メモって新しい防水シートの上に印を
付けます。ここは職人によってやり方は様々です。
古い防水シートにカッターで切り込みを入れ新しい防水シートを差し込みます。
軒先の板金は防水シートの上に巻いているので、現状防水シートに落ちた雨水は板金の内側に
入ってしまいます。室内に漏ることはないですが、このままだと軒先の木材を腐らせてしまいます。
板金の上を流れるように防水シートを板金上まで伸ばしタッカーで止めます。
先程測った寸法に合わせて新しい桟木を取り付けます。
軒先には谷シーラーを使用してみました。
本来は谷板金の側面に貼り雨水のオーバーフローを防ぐのですが、板金上に釘やビス
で穴を開けたくなかったので代用してみました。
谷シーラーは高さ40㎜で20㎜の堅いスポンジと20㎜の柔らかいスポンジが付いています。
瓦の重みで柔らかいスポンジが押しつぶされますが高さ的に丁度よくなります。
さらに両面テープの接着なので穴もあけなくでOK。
水を抜く隙間を作って取付ました。
後は復旧するだけです。
1段目の軒瓦はすべて釘を打って戻しました。2段目は全て方にコーキングで接着しています。復旧前に除けた瓦の水返し部分のゴミを取り除きました。ゴミの体積は排出機能を落とすので重要です。
瓦のズレも傾きも解消しました。
写真で見ても一目瞭然です。
屋根上の作業は終わりました。
最後に屋根下の掃除です。
破損瓦の回収はもちろん、屋根板交換時の廃材など掃除しました。
お隣さんのご自宅の通路も一言声をかけて掃除させていただきました。
これにて作業は終わりです。
お客様も
「きれいにしてくれてありがとう」とおっしゃっていました。
「
また屋根のトラブルが起きた場合連絡するわ」と言っていただけました。
トラブルは無いほうがいいですが、何か起きた時につながりになれるのは
嬉しいことです。
街の屋根やさん新居浜中央店は屋根のお困り事があるお客様
の相談、解決の糸口になれたらと思います。
ご相談がある方はお気軽にご連絡ください。
街の屋根やさん新居浜中央店0120-32-6886
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