今回は、淡路島の海に映える高台の建物の調査にきました。
お施主様は先ごろご契約を交わされたセカンドオーナーさんで、現状渡しで内装もやりかえ外壁屋根も直そうと言う事で点検・お見積りのご依頼を頂きました。

屋根の無料点検、診断はドローンで行います。

左の写真はドローンで撮影したスレート瓦のほぼ全景になります。
上から見ると色がまだらに色あせしているのがよくわかります。

右の写真は部分アップしてみました。
スレート瓦だけでなく板金も色あせしています。
また、コケの繁殖もみられます。

これは、屋根材の塗膜が劣化し防水性能が無くなっている証拠で、屋根材に吸収された水分が抜けきることなくずっと湿っている事でコケが生えてきます。
こうなると瓦の反りや割れなどが起きる可能性が高まりますので、早急な塗り替えが望まれます。

 

外壁の状態を確認しています。
外壁材は窯業系のサイディングボードです。

ひび割れや欠損は見当たりませんでしたが、写真の２枚の様に
４面共チョーキング現象を起こしていました。
チョーキング現象とは塗膜が劣化し塗膜の中の物質が粉化して出てくることです。
その粉化したものがチョークの粉に似ていることからそう呼ばれるようになりました。
これは、塗膜の防水性能の低下の典型的なサインで壁面も塗り替えをお勧め致します。

左の写真はサイディングボードとサイディングボードの間に打設してあるシーリングの切れの様子です。
シーリングは隙間を埋める防水としての役割とサイディングボードの動きに対する緩衝材としての役割の２つの役割を担っている非常に大切な箇所です。

年月が経つと直射日光等の影響で固くなり、縮んだりと劣化が起こり、貫通切れや破断に繋がります。
改修方法は既存のシーリングを全部撤去して新しいシーリングを新設する事です。
まれに、この上にシーリングを増し打ちすることを提案する業者が居られるようですが、価格は安くなりますが
何の役にも立ちませんので必ず全撤去・新設する契約を結びましょう。

右側の写真は窓（開口部）の写真ですが、これらにもシーリングは打設されています。
そして同じ様な劣化が見られます。
こちらの改修方法はボード間と同じく撤去・新設の場合と、三角打ちと言う方法で増し打ちをする方法があります。

恐らく撤去・新設の業者が多いと思いますが、サッシ際がきれいに撤去しにくい事と、ボードが直貼り工法の場合はボード裏の防水紙を切ってしまう可能性がありますので、弊社では大体三角打ちという方法で改修しています。
三角打ちとはサッシにもシールを打設した形が三角になる打ち方で十分な打設代をとれば、止水性に問題は有りません。
ただ見た目形状は多少変わります。

いずれにしろ、シーリング部から水が入ると、サイディングボードの反りや割れ、木材の腐食やシロアリの発生、最悪雨漏れにも繋がりますので、塗装工事の際は必ずシーリングも改修しましょう。

ウッドデッキですが長年メンテナンスを行っていないせいで腐食が進んでいます。
乗るとたわみ、手すりはグラついています。
塗装で直せる状態では無いので、事故が起こる前に撤去することを提案いたしました。

足場を組みますと数週間プロパンガスの交換ができませんので、工事前に早めの交換をお願いしました。

以上の調査結果となりました。
お施主様は傷んでいるのは解っていたが思った以上の傷み具合と感じられたようでした。
改修提案をお待ちください。