令和4年（2022年）1月から新築の住宅において全ての瓦の固定が義務化された理由

新築住宅における瓦の固定義務化の背景と理由は、災害時の安全確保と被害軽減が主な理由です。
過去に台風や地震などの自然災害が多く、その際に屋根瓦が落下して人や建物に被害をもたらすことがあります。
そのため、国土交通省などが新築住宅において瓦の全固定を義務化する方針を定めました。
これにより、瓦が固定されていることで災害時に瓦が飛ばないようになり、
人々の安全が確保されるとともに、建物への被害も軽減されることが期待されています。
新築住宅における瓦の固定義務化は、災害時の被害を最小限に抑えるための重要な取り組みであり、
安全な住環境を守るために必要な措置と言えます。

瓦の固定が義務化されていなかった時代に起きた瓦屋根における被害とは？

瓦の固定が義務化されていなかった過去の瓦屋根は、地震や台風による被害が深刻でした。

特に、令和元年に発生した房総半島台風や東日本台風などの大型台風や、阪神・淡路大震災や熊本地震などの地震によって、
瓦屋根の脱落や破損が多く報告されました。

これらの自然災害による瓦屋根の被害は、
住宅や建物の損壊や人的被害を引き起こしました。
瓦の固定が義務化されていない時代には、地震や台風などの災害による瓦屋根の脆弱性が露呈し、被害が拡大したと言えます。
そのため、瓦の全固定義務化が検討されるようになった背景には、これらの過去の被害からの教訓があると言えるます。

大地震の際に起きた瓦屋根に関する被害は、
地震による揺れや余震によって瓦が落下し、周囲の住宅や通行人に被害を及ぼす可能性があります。
特に大規模な地震では、瓦が一気に落下するのではなく、
地震や余震のたびに瓦が落下するケースもあります。これにより、
瓦が落下することで住宅や車両が損傷を受けたり、通行人が怪我をするなどの被害が発生します。

被災地では、瓦が倒壊したり周囲に散乱したりする光景が見られ、屋根の修理や補修が急務となります。
地震による被害は瓦の落下だけでなく、周囲への飛来物による被害も考えられ、
施工上の問題や不適切な修理が原因で被害が拡大する可能性もあります。
地震による瓦屋根の被害は、住宅や周囲の安全を脅かす重大な問題となります。
被災後は慎重な対応が必要であり、地震に強い施工方法や早めの修理が重要です。

既存瓦屋根の安全対策

・定期的な安全確認
まずは瓦の固定を定期的に点検し、必要に応じて補修や補強を行うことが重要です。
屋根全体の点検やメンテナンスを怠らず、災害時の対応策を事前に考えておくことも重要です。

・瓦屋根の葺き替え
瓦屋根の葺き替えは、災害に対する安全性を高める重要な取り組みです。
防災瓦を使用することで、台風や地震などの自然災害による被害を最小限に抑えることができます。
防災瓦は通常の瓦よりも重さがあり、全固定が義務化されているため、落下のリスクを軽減します。
また、葺き替え工事を行うことで、屋根の耐用年数を延ばし、定期的なメンテナンスを行うことで安全性を保つことができます。
防災瓦を使用することで、お住まいや家族を災害から守るための一助となります。

・瓦屋根から他の軽量屋根材への葺き替え
瓦屋根から他の軽量屋根材による葺き替えは、災害に対する安全性を向上させる重要な取り組みです。
特に地震や台風などの自然災害において、軽量屋根材は重い瓦に比べて耐性が高く、建物全体の安定性を確保することができます。
軽量屋根材は、地震による揺れや風圧による負荷を軽減し、倒壊のリスクを低減します。
さらに、軽量屋根材は耐久性が高く、メンテナンスが容易であるため、災害後の復旧作業もスムーズに行うことができます。
総じて、瓦屋根から軽量屋根材への葺き替えは、地震や台風などの自然災害に対する安全性を向上させるだけでなく、
建物の耐久性やメンテナンスのしやすさもが特徴です。

まとめ　瓦屋根にお住いの皆さんはどうすればよいか？

瓦屋根に限らず通常の建物に対して
何らかの危機意識を持たれている方は少ないと思いますが、
一度災害が起こると思いもよらぬ問題が発生する可能性が有ります。

特に１９８１年以前に建てられた住宅は
耐震基準が現在よりだいぶ足りなくその上に乗っている瓦の重さと揺れに耐えきれず倒壊を
起こることは過去の地震や２０２４年１月１日に発生した能登半島地震でも同じ災害が起こりました。

令和4年（2022年）1月以降から新築の住宅は義務化されましたので、
現在の基準では安心と言えますが１９８１年以前の建物は瓦自体の劣化も考えられます。
それ以降の瓦屋根の建物に関しても全数固定は義務化されていませんから、
中々費用の掛かる現在基準の工事を行っている建物は多くは無いと考えられます。

ですから前項に書きましたように、瓦の葺き替えや、建物の耐震強化、
葺き替え時に瓦から金属屋根やアスファルトシングル屋根等、
軽く風や揺れに強い屋根材にリフォームされる事をお勧めいたします。

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