ひたちなか市で中古住宅屋根を診断！耐水性の低下は屋根破損の原因
更新日：2024年6月4日
数年前に購入されたというこちらの中古住宅。
築30年程経過しているそうですが、前のオーナーさんが築後どのようにメンテナンスをしていたかはわからないとのことでした。
近ごろ中古住宅市場が活性化してきているようで、当店でもお問い合わせをよくいただきます。
新築より費用を抑えて自分好みにリフォームできると人気の中古住宅ですが、購入の際に外観や間取りは見ても、屋根はあまり重要視されないため結構見落とがされち・・・(；▽；)
そのため、居住後何年か過ぎてから屋根のメンテナンスを相談されるお客様も多いのです。
屋根は建物全体の寿命にも直結するため、屋根のプロとしては真っ先に見て欲しい箇所なのですが(^_^;
今回のケースはどうでしょうか？
一般的な化粧スレート屋根のメンテナンスは築10～15年程度で塗装、築30年前後で新しい屋根にする工事を行います。
耐用年数は、天候や立地条件にもよりますがおよそ30年です。
グリーン系のカラーで塗られた屋根は、塗装膜が剥離し全体的に色褪せて白っぽくなっています。
ですが近隣の屋根から業者さんが見えたという程の破損は見当たりません。
古い住宅の屋根は何かしら劣化はあるものなので、見当をつけて声をかけたのでしょうか？？(・ω・;;)
化粧スレートはセメントが主成分の薄い板状の屋根材で、塗装することによって防水性を持たせています。
薄いセメント平板は水分を含むと脆くなり割れたり反ったりするので、定期的に塗装して保護するのです。
多くの屋根は水が溜まらないように傾斜がついており、棟部分が水上側、軒部分が水下側になります。
水下である軒先は、降雨などで傾斜に沿って流れ落ちてくる水に触れる機会が多く、水上よりも劣化の症状が出やすいのです。
その典型的なのが『カビ』。
ある程度の築年数が経った化粧スレート屋根にはもはやお約束のような症状。
流れ落ちてきた水分が染み込み長く滞留する軒先（屋根の先端）は、特に多くのカビが発生していました。
二つの屋根面が交わる所を谷（たに）と言います。
谷部も雨水が集まり大量の水が流れるため、軒先と同じ症状が出ていますね(·_·;)
カビが発生するほど湿気を帯びた屋根をこのまま放置するとどうなるのでしょうか？
晴れた日には太陽に照らされ乾燥して収縮し、雨が降ればまた水を吸って膨張します。それを繰り返すことで脆くなり、変形やひび割れが起こります。
こういったひび割れは、軒先や谷部以外にも方々で起きているのが確認できました。
放っておくとひび割れは屋根全体に広がり、屋根材自体の欠けや落下にも繋がりかねません(＞人＜;)
棟板金（むねばんきん）とは屋根の頂点にある板金のことで、屋根の内部に雨水が入らないように被せられています。
この棟板金には注意してほしい劣化症状があります。
それは、棟板金を留めている釘がだんだんと抜けてきてしまうことです。
釘が抜けたまま放っておくと固定力が弱まり、台風や強風の際に飛ばされる危険性があるので無視できない症状です。
棟板金は横から釘を打って貫板（棟板金の中にある下地材）に固定するのですが、この釘は7～10年程で次第に緩んで抜けてきてしまいます。
釘穴からは雨水が侵入するため、放置し続けると貫板の腐食にも繋がりかねません。
メンテナンスを行う際には、ちょうど屋根塗装のタイミングと一致することが多いので、足場を利用して棟板金の点検や浮いた釘の打ち直しを行うと良いのですが・・・
以前の屋根塗装の際にはもう症状は出ていたようで、浮いた釘ごと塗られていました(ﾟoﾟ;
せめて・・・せめて打ち直してから塗ってほしかった・・・( ；∀；)
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