鉾田市の和瓦屋根での雨漏りは銅製谷板金の穴あきと防水紙の劣化が原因
更新日：2023年12月11日
鉾田市のお宅は、築30年以上が経過しています。
先に見せていただいた天井の雨染みは一箇所ですが、たしかに大きく広がっています。
木目調のクロスが剥がれかかっているので、湿った状態が続いているのでしょう。
本来は天井裏も確認したいところですが、点検口などの入れる場所がなく断念…( ´•ᴗ•ก )
外側からの状況を見るため、実際に屋根に登って調査を行いました。
粘土製の和瓦屋根は重厚感があり、まだまだ十分現役です。
雨漏りが起こっている上部は、ちょうど谷板金の位置にあたります。
【谷板金とは？】
屋根面同士が接合する谷状になった場所に設置され、谷樋とも呼ばれています。
屋根の上に降った雨水を集めてスムーズに排出する機能を持ち、屋根の上の雨樋のような重要な役割を担っています。
屋根面同士が接合する谷状になった場所に設置され、谷樋とも呼ばれています。
屋根の上に降った雨水を集めてスムーズに排出する機能を持ち、屋根の上の雨樋のような重要な役割を担っています。
本来は耐食性がある銅板製の谷板金には、縞模様のような錆びが発生し、その突端部には進行した錆びにより穴があいていました。
以前は和瓦と銅板の組み合わせはよく見かけられたものの、実はこの二つの相性はあまりよくありません。
銅屋根や銅製の雨樋は一生もの！と言われていましたが、谷板金に関しては築後20年～30年ほどで、穴があいてしまうことも少なくないのです(>_<｡)
「酸性雨と瓦の釉薬が銅板と化学反応を起こす」「銅自体が元々柔らかいせい」など様々な見解がありますが、現在でもメカニズムはよく分かっていないようです。
「酸性雨と瓦の釉薬が銅板と化学反応を起こす」「銅自体が元々柔らかいせい」など様々な見解がありますが、現在でもメカニズムはよく分かっていないようです。
谷板金の穴あきは、瓦が割れたり破損しているのと同じ状態です。
瓦が割れていれば気になさるお客様もいらっしゃいますが、元々見えにくい場所の谷板金の穴あきは、地上からではなかなか確認ができず、発見や対処を遅らせてしまうのですね。
ただし、谷板金に穴があいたからと言って、即雨漏りに繋がるわけではありません。
穴はあくまでも雨水が染み込む起因となる場所で、雨漏りを引き起こす本当に原因は、瓦屋根の下に敷かれた防水紙の劣化や破損によるものなのです。
関連記事➤瀬戸際で雨漏りを防いでいる防水紙（ルーフィング）
谷板金の補修方法は、全交換もしくは部分交換になります。
穴があいている場合は、錆びが移らないようにするためにも、全交換がお勧めです。
交換作業は、一般の方が想定される以上に手間がかかる工事です。
屋根の凹部にある谷板金は、上部の棟と繋がっています。緩衝している棟瓦と谷板金の周囲の瓦を一旦撤去してから、古い板金を新しい板金に交換します。
そして撤去した瓦を元の位置に戻し、棟瓦も積み上げて完成となります(•̀ᴗ•́)و ̑̑
※他現場の施工～完成した谷板金※
鉾田市の住宅は、三段と五段の棟を崩して再度積み上げることになります。
現場によっては七段・九段と言った、高く積んでいる住宅もありますので、そうそう簡単な工事ではないのです。
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