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筑西市でパミール屋根を調査!塗装には不向きなのでご注意下さい
更新日:2022年2月14日
茨城県の皆様こんにちは、街の屋根やさん水戸店です。
先日筑西市にお住いのお客様のご依頼で、化粧スレート屋根材の一種であるパミール屋根の点検を行いました。
今回はその時の調査の模様と、パミール屋根のメンテナンスでご注意いただきたい点を併せてお届けいたします。
調査・点検のご相談をくださったお客様のお宅は築18年です。
2階から下を見た時に、1階の屋根の剥がれが気になったそうです。
そろそろメンテナンスを…と考えていたこともあり、当店に相談を寄せられました。
たしかに遠目から見ても、屋根材の剥がれ具合がよく分かりますね(יםי ;)
三角形に大きく欠けた部分や、捲れた箇所より白っぽく露出しているのは、パミール屋根の主成分のセメントです。
パミール屋根は、薄いスレート材を何層にも重ねて圧縮しています。
そのため表層部の劣化が早く、ボロボロに崩れ出してしまうのです。
通常、化粧スレート材は防水機能を保つために塗装を施してある屋根材ですが、パミール屋根は8年~10年ほどで塗膜が施された表層が剥離するという現象が起こります。
特に先端部が捲れ上がり、ミルフィーユ状に何層にも剥がれることから「層間剥離」と呼ばれ、一時期全国的に問題になった症状です。
谷樋は2方向の屋根がぶつかる谷間に作る通水路で、雨水の通り道になっていますが、平面よりも風を受けてしまう部分でもあるため、剥離による破損が進行してしまっていました。
また、屋根から流れ落ちる雨水が集まるので傷みやすく、今回のお客様宅も谷樋に沿って屋根材が崩れ、下地のセメント材にコケやカビも繁殖していました。
ご主人様はあらかじめ建築仕様書を確認されていたので、屋根材はパミールだとご存じでした。
以前に塗装業者さんから屋根の塗装を勧められたそうですが、その時は諸事情で一旦見送られたようです。
今回は複数の会社から見積もりを取られている最中とのことでした。
では、今回の屋根は塗装で大丈夫なのでしょうか…?
最適なメンテナンス方法を説明する前に、パミール屋根の特徴について触れておきたいと思います。
ニチハのパミール屋根は1996年~2008年にかけて販売された化粧スレート屋根です。
元々化粧スレート材は、アスベスト(石綿)を含む建材でしたが、健康被害が問題となった頃にアスベストを含有しないノンアスベスト屋根材として製造され、全国的に幅広く普及しました。
しかし開発を急いだせいでしょうか…アスベストを使用していない分耐久性が落ち、いろいろ問題を抱えることになってしまいます(_ _。)
捲れ上がった先端部
錆びて脆くなった専用釘
屋根の塗装をする際、蓄積した汚れを落とすため事前に高圧洗浄を行います。
層間剥離を起こしているパミール屋根を洗浄した場合、弱った箇所が飛散し、全体が激しく破損してしまいます。
実際、当店にも「高圧洗浄で屋根がバラバラになった…」というご相談がありました。
そもそも、塗装では割れや剥がれと言った破損を直すことができません。あくまでも、防水機能を失わないように新たな塗膜で保護することが目的なのです。
このように様々な問題が明らかになったパミール屋根は、残念ながら「塗装をしてはいけない屋根」の代名詞になってしまいました。
塗装ができないパミール屋根の適切なメンテナンスは、「カバー工法」か「葺き替え」のどちらかになります。
現在の屋根を残し、その上に軽い金属屋根を載せて覆う工事方法です。
防水シートと屋根材が新しくなることで、屋根本来の機能を取り戻すことができますが、下地の傷み具合によっては施工できない場合もあります。
既存の屋根を解体・撤去して、新しい屋根材に葺き替える工事です。
カバー工法よりも費用が高く工期も長いですが、下地を含めた部分までメンテンスができ、家全体を長持ちさせる効果があります。
パミール屋根の不具合は、一般的なスレート屋根と全く異なりますが、一見すると区別がつきにくいため、誤ったまま塗装の施工をすると大変なことになります。
筑西市のお客様には屋根の不具合と塗装ができないことをお伝えし、カバー工法もしくは葺き替えのご提案させていただきました。
2022年現在、販売終了から14年が経過していますので、そろそろ修繕やメンテナンスをお考えの方も多いかと思います。
大切なご自宅の屋根をしっかりと見極めてくれる専門家に調査を依頼しましょう。
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