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今治市で雨漏りの調査と応急処置を行いました。
更新日:2022年2月26日
今回「家の雨漏りを見て欲しい
」とご連絡を頂いたのは今治市のY様。
お話を伺うと築35年の建物で2年前に事務所として購入されたそうです。
普段2階を使うことは多くないので、なかなか気付かなかったそうですが結構な量の雨漏りがしているそうです。
急いで
現場に駆け付け雨漏りの調査をすることにしました。
今治市のY様邸に到着しました。
こちらのY様邸の屋根は築35年・モニエル瓦の屋根です。
みなさんはモニエル瓦ってご存じでしょうか?軽くご説明します(*^^)v
モニエル瓦とは
1970年代~1980年代頃に流行した、セメントを主成分とした
乾式コンクリート瓦
です。
表面に施された
特殊な
着色層(スラリー層
)
による豊富なカラーバリエーションと
洋風な形状が相まって人気を博しました。
しかし1990年代後半頃から
陶器瓦の価格が下がった事
と、
コンクリート瓦なので定期的な塗装メンテナンスが必
要な事もあり徐々に人気が薄れていきました。
現在では
2010年を最後にモニエル瓦は廃盤となってしまいました。
また着色層(スラリー層
)があるために、入念な下地調整と専用塗料が必要で
塗装も簡単じゃない厄介な屋根材となってしまいました
(;^ω^)
→「モニエル瓦について」詳しくはこちら
Y様に許可を頂き屋根裏にあがり
雨漏り箇所を見させてもらいました。
【写真左(上
)
】
こちらがお問い合わせを頂いた1カ所目の雨漏り箇所です。
Y様がご自身で置いた洗面器には結構な量の水が溜まっています。雨漏りの跡も結構広範囲に付いていますね。
【写真右(下
)
】左の写真の真上の様子です。断熱材の袋が
雨漏りで破け、ぶら下がっています。
断熱材が破れたところを詳しく見ると雨漏り箇所を発見しました。
瓦を留めている釘から水が侵入してきた様です。後で屋根の上も見てみましょう。
【写真左(上
)】こちらが2カ所目・壁際の雨漏り箇所です。
ここも壁の断熱材が落ちてしまっています。袋に雨が染みて留めていた箇所が破れてしまったのでしょう。
【写真右(下
)】壁際の真上の様子です。
この壁際は屋根でいうと「ケラバ」という横の端の部分にあたります。
屋根下地の木が傷んできています(;^ω^)
→「ケラバってどこ?
」詳しくはこちら
こちらの写真は同じ面の
壁際(ケラバ部
)の軒先側で見つけた雨漏りの跡です。
Y様は気づかれていなかったようですが、こちらも結構な量の雨漏りですね。
では改めて今治市Y様邸の
屋根を見ていきます。
【写真左(上
)】こちらが先ほど屋根裏で確認した雨漏り箇所の屋根の位置です。
【写真右(下
)】屋根の一部をアップで撮影してみました。
Y様邸の屋根は過去に塗装メンテナンスをされたことは無いようです。
モニエル瓦の着色層(スラリー層
)は手でこ
すると、ポロポロと取れてしまいます。
また苔が付着していますね
。表面の防水性が低下して瓦が水を吸っているのでしょう。
雨漏り箇所①平部の様子です。
モニエル瓦の防水性の低下から、瓦の成分が溶けだし脆くなっているんでしょう。
【写真左(上)】割れた瓦を見つけました。
以前にコーキングで補修をした形跡がありますが、スラリー層の上から塗られているため密着していません。
【写真右(下)】少し瓦をめくって見ます。
やはり雨水が流れています。長い期間、雨水が入っていたんでしょう。
下の段の桟木が腐っていたために折れてしまいました。
【写真左(上
)】こちらが平部の雨漏り原因です。
割れた瓦から侵入した水が下の段の桟木でせき止められる。
そのせき止められた雨水が瓦を留めていた釘穴から侵入する。
桟木が腐ると余計に水を含み水が溜まり悪化していく。といった具合ですね(;^ω^)
【写真右(下
)】Y様邸には運よく
2枚だけですが施工時のモニエル瓦が保管されていました。
割れた瓦と交換して応急処置をしておきましょう。
廃盤となってしまったモニエル瓦は割れた際の応急処置の
時に代用品がないので困ります(;^ω^)
【写真左(上
)】
次に雨漏り箇所②のケラバ部分の様子です。
こちらも全体に苔の付着が目立ちますね。
施工の際のミスなんでしょうか?平部の瓦とケラバの重なりが極端に少なく感じます。
防水スポンジでなんとか隙間を埋めているといった感じです。
【写真右(下)】では瓦と瓦の間にハッキリと隙間が見えますね。
すこし風が吹けば簡単に水が浸入してしまうでしょう。
屋根の上では初めてみましたが、奥にキノコが生えています(;^ω^)
けらば周辺の瓦も少しめくって見ました。
平部の瓦とケラバの瓦の重なりがあまりにも少ない為、簡単に風で吹きこむ雨水が平部の瓦の端から侵入してしまいます。
瓦の下は何の対策もされておらず、防水紙も端で切れているので雨水を防いでくれる手段がありません。
以上で今治市Y様邸の雨漏りの調査は完了です。
今回の雨漏りの調査結果をY様にご報告の上、今後の対策について相談していきます。
Y様邸のモニエル瓦は劣化が進み、瓦自体が脆くなっていることが伺えます。
一番の解決方法としては、新しい屋根材でのリフォーム・
「屋根の葺き替え工事」をオススメします。
→「屋根葺き替え工事
」について詳しくはこちら
しかしこの場合どうしても纏まった金額が掛かってしまうため予算をオーバしてしまいます。
そのため今回は雨漏り箇所だけの「屋根修繕工事」に留めて、様子を見ながら来期以降に「葺き替え工事」をすることになりました。
次回のブログでは今治市Y様邸の屋根修繕工事の様子をご紹介します。
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