既存の屋根の状態

スレート屋根とは？そのメリットとデメリット

今回のご自宅には「スレート屋根」が使われていました。スレートとは、セメントに繊維を混ぜて薄く成型した屋根材のことで、日本では戸建て住宅によく使われています。

スレート屋根のメリットは「軽さ」と「価格の手ごろさ」です。しかし、10～15年ほどで防水性が落ちやすく、表面に黒ずみやコケ、黄カビが発生しやすいのがデメリットです。

今回のお宅も、屋根全体に黒ずみと黄カビが見られ、見た目だけでなく防水機能もかなり低下していました

棟板金と換気棟の状態

屋根のてっぺん（棟）には「差し棟」と呼ばれる棟板金が使われており、中心部分には「換気棟（かんきむね）」が設置されていました。

換気棟とは、屋根の中にこもった熱気や湿気を外に逃がすための重要な設備です。換気が不十分だと、屋根裏に湿気がたまり、木材の腐食やカビの原因になります。

今回は、この換気棟も新しいものに交換し、しっかりとした通気性能を確保しました。

ルーフィング貼り

ルーフィングは「日本一ライト（エコルーフ）」を使用

既存の屋根材の上から新しい屋根材をかぶせる「カバー工法」では、まず屋根をフラットな状態に整えた上で、防水シート（ルーフィング）を貼っていきます。

今回使用したのは「日本一ライト（エコルーフ）」という高性能ルーフィング材。
このルーフィングは、

• 高い防水性

• 耐熱・耐寒性

• 長期間の安定した性能

が特徴で、屋根材の下から雨水が侵入しても建物内部に染み込むのを防ぎます。

屋根本体葺き

屋根材は「スーパーガルテクト」シェイドブルーを採用

新しい屋根材には、「アイジー工業」のスーパーガルテクト（色：シェイドブルー）を使用しました。

スーパーガルテクトは、ガルバリウム鋼板に断熱材を一体化させた軽量屋根材です。

• 高い耐久性とサビに強い金属素材

• 遮熱性・断熱性に優れ、夏涼しく冬暖かい

• 重ね葺き工法に最適で、既存屋根を撤去せずに施工可能

といった特長があり、メンテナンスの頻度を抑えられる点でも人気があります。

また、今回使用した「シェイドブルー」は、重厚感と清涼感を兼ね備えた落ち着いたカラーで、外観の印象も一新されました。

貫板設置

樹脂製の貫板を使用し、耐久性をアップ

棟板金の下地に使う「貫板（ぬきいた）」には、樹脂製のものを採用しました。

従来の木製貫板に比べて、

• 水分を吸わないので腐らない

• シロアリ被害の心配がない

• 変形・劣化しにくい

といった点で耐久性に優れており、今後のメンテナンスコストを抑える効果が期待できます。

コーキング処理

棟板金のつなぎ目にはコーキング処理を実施

さらに、棟板金のつなぎ目部分には「コーキング処理」を丁寧に行っています。

これは、風による雨の吹き込みや、金属の微妙な収縮によって起こるすき間からの雨水侵入を防ぐためです。

特に台風や強風の多い時期には、こうしたすき間から雨漏りが発生するケースが多く見られます。
コーキングを施すことで、棟板金同士の接合部をしっかりと密閉し、より安心して長くお住まいいただけるよう配慮しています。

ビフォーアフター

まとめ：屋根カバー工事で快適・安心な住まいへ

今回の川口市での屋根カバー工事では、機能性・デザイン性の両面でグレードアップが図れました。

• スレート屋根の劣化をカバー

• 換気棟・ルーフィングで屋根の内部環境を改善

• スーパーガルテクトで快適性と耐久性を確保

• 樹脂貫板で長期的なメンテナンスコスト削減

屋根リフォームは、「雨漏りしてから」ではなく、「劣化に気づいたタイミング」で行うのがポイントです。