岐阜市で、「ご近所の方から瓦がズレている」と教えてもらい不安になったので、いろいろ調べた中で弊社にご連絡をいただきました。築40年程経つ瓦屋根のお宅になります。

　裏の3階建ての方から教えて頂いたようです。早速お伺いしてどの辺を言われたかを聞いてみたのですが、下からは見えないのでよくわからないという事でしたので、全体的に見る事にしました。

　実際に屋根に登って見ると、もっとひどい状況を想像していたのですが、確かにずれはありますが3階から見えるのかわからないくらいのズレでした。

漆喰の方も確認していきます。漆喰の表面に細かい穴が開いてきていて、中の土が見えている所がありました。漆喰が剥離し土が完全に見えている所もあります。土が雨に当たってしまうと流れてしまい瓦の落ち着きが悪くなり変に隙間が出来てしまい、更に雨が入りやすくなっていきます。
　
　瓦のズレに関してはケラバ瓦のぶぶに多く出ていました。その他の部分には、大きなズレは見受けられませんでした。まったくないという事ではありませんが、年数なりの劣化がありズレも生じてします。

　ケラバ瓦に関しては、端の部分を銅線でしばり固定していますので捻じれるようなズレ方をしていて、中には浮いたように重ねの部分が大きく口を開けるような感じになっている所もありました。

また、瓦の上を歩いていると場所によってたわみが出る部分がありましたので、瓦を捲り下地の方を確認していきます。瓦の下には土があり、その下には当時防水紙の代りに杉皮を敷いてありますが、経年劣化と雨の侵入によりブヨブヨしていました。杉皮の下の野地板まで染み込んでいるようです。

瓦本体にも劣化によっるひび割れや欠け等がありました。40年も経てば仕方ないことではあると思います。瓦にも寿命がありますので、そろそろ替え時ではあります。

　最低でも、漆喰のお手入れは必要ですが、これからこの家をどうされていくかによっては、軽い屋根材に変えられるのも一つの選択になると思います。予算も含めよく検討いただいて、お手入れ方法を決めて頂けるようお手伝いしていければと思います。