岐阜市にお住まいのS様は、訪問業者に屋根の板金が飛びそうになっていると言われたそうです。屋根に上がったわけでもないのに、どうしてわかったのかと疑問に思いながらも、ご近隣に迷惑を掛けてしまうかもと不安になり、調査をお願いしたいとお問い合わせくださいました。

屋根に上がらせていただくと、スレート屋根材に汚れの付着やコケの繁殖が多くありましたが、今すぐ剥がれそうな板金は無いように見えました。近くで見ないとわからないこともあるので調査を進めていきます。

屋根面と屋根面がぶつかり合う部分を覆う板金を棟板金と言います。近くで見てみてもS様のお住まいんの棟板金は訪問業者に指摘されたような直ぐに剥がれ落ちてしまうような状態ではありませんでした。しかし、棟板金を固定するための釘が緩んでいる箇所がいくつかありました。釘が緩む事で板金が浮き上がると雨や風が入り込みやすくなり、更に釘が緩んでいき、行く行くは剥がれてしまう危険があるのも事実です。また、棟板金をグローブで触ると、グローブに塗装の色は付きました。これはチョーキングと呼ばれ、施されていた塗装の塗膜が劣化しているサインです。外壁塗装の劣化でも同様の症状が起きます。

棟板金の他にも、外壁と屋根材がぶつかる箇所や、ケラバと呼ばれる箇所にある板金を固定する釘も緩んでしまっています。こういった箇所からでも雨水が入り込む危険性はあり、屋根材の下に入り込んだ雨水が下地材も傷めてしまうと雨漏りに繋がりますので小さな釘の緩みでも油断はできません。

S様には、今すぐにでも板金が剥がれて飛んでしまいそうな状態ではありませんが、築年数や屋根材の傷みを踏まえると、棟板金交換工事の他屋根カバー工法などの屋根全体の工事をお考えになっても良いと思いますとお話させていただきました。、