岸和田市で施工した樋工事の実例をご紹介します。樋にも箇所によって呼び名があり、今回は呼び樋、這樋と呼ばれる部分からの水跳ねが気になるとのご相談を受け現場を確認しに行きました。

ご相談のあったお宅の庭から状況の説明して頂きました。「雨の日に黄色の丸で囲った部分の軒樋から雨水が溢れて（跳ねて）直下の土間が濡れ、水たまりになって困っている」とのことでした。
一見した所、大屋根の竪樋から繋がる呼樋部分に以前手を入れた（修理した）経緯が伺えるのと、下屋の軒樋部分の勾配も少し気になります。
雨樋という物は、屋根に受けた水を軒樋から上合、竪樋、雨水桝まで潤滑に水が流れる構造でなくてはなりません。軒樋の勾配が良くない箇所があれば、そこからオーバーフロー等の原因になります。
勾配が変わってしまう原因としては、風雨にさらされ続ける軒樋や樋受け金物の変形、年数が経った建物の軒自体が下がってしまう等様々です。
樋の場合、根本的な改修となると非常にコストが高くついてしまったり、困っている内容を解決するだけのために想像以上の大工事になってしまわないように最善の方法を選択することも大事です。

樋の職人が現場に合わせて材料を加工しています。こういった何ヵ所かの曲がりがあるような加工は特に注意が必要です。
先ほど取り外した既存の樋とまったく同じ物を作ればいいとゆうものでもありません。元々と同じ形状が最善と決めつけず、現況に一番良いと思われる方法で復旧します。ベテランの職人はそういった落し穴にはまることなく経験に基づいた確実な施工をします。
また最初にお伺いした時点で僅かな違和感も見逃さず施工時に生かすことも重要だと考えています。

慎重に角度、寸法を決めて工事が進んでいます。
呼び樋の先端には今回のご要望の中でも肝心な箇所、水跳ねがしにくい部材を取付けます。
部材には右勝手と左勝手を既存の軒樋の勾配に合わせて変えれる機能があります。この部材自体にも勾配をつける配慮がなされています。

最後は仮合わせしていた部材をすべて専用の接着剤でしっかり固定します。
既存軒樋の勾配を調整した後、水返しの部材を取付けて完成です。これでほとんどの雨で水跳ねすることはなくなりました。
お家によっては屋根面積に対してそもそも竪樋の本数が少ないといった場合もあります。そういった状況では上合、竪樋を増設する工事が必要であったりします。また樋の形状や大きさを変えるといった提案になることもあり、雨水桝や地中の排水経路の問題も関わってきます。
建物は立地環境も様々ですのでぞれぞれの要望に対して最適な工事提案が必要だと考えています。

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