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外壁タイル天端の水切り対策が奏功している様子を実際に見る
更新日:2021年5月27日
ベランダとバルコニー外壁タイルの天端は水平になっています。内壁との接合点には段差が設けられていて、雨水を蓄えやすい構造になっています。
外壁側はタイル仕上げでマグサが水平面を仕上げています。タイル境界まで内壁はリシン吹き付け仕上げになっています。
両者の境界にはポリサルファイド系のコーキング材が充填されて、隙間から雨水が侵入しないように仕上げられています。
水分が外壁タイル内部に浸水する原因は、マグサで作られたタイル天端の目地、タイルと内壁の境界にできた隙間です。
段差は意図的に設けたもので、コーキング材充填用の目地も設けることで、境界からの雨水の侵入を遮断する設計になっています。
降り注いできた雨水はタイル天端の水平面に蓄えられ、目地から吸収されて外壁が雨漏りしましたので、この段差に傾斜を付けます。
傾斜を作る方法として同質のタイルを用いることが出来ますが、特注になりますので納期が長くなり、工期中の納品ができません。
健全に接着しているマグサを剥離するのは外壁を改悪する面があり、費用面での合理性も考えますと、コーキングで傾斜を作ることにしました。
白く盛られたのがポリウレタン系のコーキング材です。角部は45°で交差し、内壁の上端部とタイル先端部を結ぶように盛りました。
内壁とタイル天端の境界の段差目地にはポリサルファイド系コーキング材を設計通りに充填し直しています。
傾斜状に打設されたポリウレタン系コーキング材は、これを紫外線や温度変化から保護するとともに、2重の防水効果を果たします。
この後内壁から連続して同色の塗料で塗装仕上げしますので、ポリウレタン系コーキング材は紫外線劣化の影響を受けにくい状態になります。
長い工事期間の途中では雨天もたびたびありますので、雨上がり直後の状態を朝一番の現場で観察してみます。
内壁の天端も微弾性フィラーの後にラジカル制御系塗料のニッペパーフェクトトップで2回塗られ、見違えるような塗膜が出来ています。
内壁の天端は水平のままですが、微弾性フィラー、プライマー、変成シリコンコーキングを用いた下地処理とともに完璧に雨水を弾いています。
ポリウレタン系コーキングで出来た傾斜には水滴が残っていますが、内壁の水平な天端との対比で、排水性の効果が分かります。
内壁との境界を防水する事、タイル天端の滞留雨水を排除することで、外壁タイル内部への浸水は比較にならないほど激減しています。
(垂直面のタイル目地からの吸収可能性が残るので、比較にならないほど激減との表現に留めましたが、垂直面では雨水が滞留する事はなく速やかに流れ落ちるので、目地が雨水を多少吸収するとしても、蒸散して影響はない範囲に終わります。)
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