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宝塚市賃貸マンションの外壁タイルを斫ったALCに凹凸が生じる理由
更新日:2021年5月27日
宝塚市賃貸マンションで外壁タイル補修工事を行いました。
浮いた外壁タイルを斫るとALC表面は凸凹になりました。
なぜ凸凹になるのかその理由を考察し、最適な下地成形方法に繋げます。
宝塚市賃貸マンションの外壁タイル補修工事を進めています。浮いたタイルを斫って除去したのは約20㎡です。
足場が架かると接近してタイルの状態を点検する事ができ、いつ剥がれ落ちてもおかしくない状態になっていました。
打診棒で表面を擦り、打刻すると、硬い乾いた音ではなく、鈍い空洞感が伝わる音がするので判ります。
打診棒調査で確実に浮いていると判断できる範囲をマスキングテープで囲って識別していました。
浮いていると識別していた範囲の外壁タイルを斫ってみると、10枚単位の面として剥がれてくる場所もあります。
そして何より、外壁表面のタイルを斫り取ると、外壁下地のALC表面が凸凹な状態になって現れました。
ALC表面に凸凹が出来たのでインパクトからそこだけに視線が行ってしまいますが、視線を変えてみます。
斫り取ったタイルの方にも視線を移してみると、5mm程度の厚みであるはずのタイルが塊状になっています。
その裏面を見てみると、分厚い付着物がありました。叩くと硬い物質であることが判るので、タイル接着用モルタルです。
そしてよく観察すると肌色の物質も付着しています。
外壁下地のALCの成分まで、モルタルと共に剥離したのです。
浮き上がったタイルだけを斫り取ることは不可能で、接着用モルタルと外壁下地の一部まで剥離してしまうのです。
ALCはセメント成分を主とし多孔質発泡成形された軽量で耐火性、耐熱性、防火性に富む高強度な外壁材です。
主に重量鉄骨造の建物に多用される建材で、有する特性の中でも軽量性は、重量負荷を軽減してくれる逸材です。
そのうえ一定寸法に形成された規格品でありながら、現場加工が容易で、自由に設計された建物に柔軟に対応します。
対して外壁タイルを接着させるモルタルは、超微粒子のセメントを練り、乾燥硬化した後は隙間がなくなります。
ミクロン単位の空間を意図的に設けた多孔質のALCと、タイル接着用モルタルを比較すると、質量が大きく異なります。
軽石にセメントを練ったモルタルを付着させ、乾燥した後に剥がし取ることを想像したら、どうなりますか?
質量が大きいモルタルが勝つでしょう。
さらに多孔質の隙間に入り込んだモルタルが、軽石本体をえぐり取ることも想像できます。
タイル接着用モルタルがALC表面をえぐり取り、凸凹にさせてしまう理由です。
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