宮崎市希望ヶ丘にてセメント瓦の一面葺き直し・棟瓦積み替えを行った様子の続きをご紹介いたします。葺き直しは瓦を捲り下葺き材や木下地を新しくして、既存の瓦をもう一度葺いていく工法です。葺き替えと違うのは瓦を新しくするかそのままかなだけで、後の工程は全く一緒ですので新しい屋根材の費用が掛からない分、ローコストで雨漏りを止められます。しかし、瓦などの屋根材にももちろん耐久年数がありますので、場合によっては葺き直しが出来ない事もあります。

　前回は既存の瓦を捲り、下葺き材などをやりかえて再度既存の瓦を葺き直した所までをご紹介しました。今回は棟を納め直す様子などをご紹介いたします。

　瓦が葺きあがったらいよいよ棟を納めていきますが、今回はもともと5段で積んであった棟を1段にする為、いろいろと仕様が変わってきます。まず、5段の棟と1段の棟では棟の幅が全然違います。そのまま1段の棟を積むともともとは棟に被っていた部分が露出して雨漏りしてしまいます。なので横一段平瓦を追加してしっかり棟際まで瓦が来るようにしてあげる必要があります。（写真の棟際の白っぽい段が新しく追加した瓦）
今回は7寸紐丸という冠瓦を使用します。それを固定する為の棟木と棟木を固定するための棟金具を取り付けます。棟木は防腐材を注入したものを使い、棟金具は錆の来ないステンレス製のものを使用しました。

　棟木に南蛮漆喰（簡略化された漆喰）を巻いていき、雨水が入らないようにしたら冠瓦を乗っけていきます。棟木にパッキン付ビスで固定したら完了です。今回は既存の瓦に合わせて予め塗装したものを使っています。
棟の段数は高いほど雨漏れしにくかったり、重厚感が出せます。しかし、最近では一段でもしっかり施工されていれば雨漏りしないような工法や材料がありますし、近年高まっている大規模地震の事を考えるなら断然軽い屋根が良いとされていますので、葺き替えや補修の際は1段の棟をご検討してみてもいいかもしれません。

　こちらは追加になった工事ですが、破風板が腐食してボロボロでしたので板金を被せました。破風板ごと取り換えるわけではないので内部は現状通りですが、腐食の進行を止め、見た目に美しくできてコストも抑えられるのでおすすめです。

　　　　　　　　　前回ご紹介したブログはこちら→宮崎市希望ヶ丘にてセメント瓦の一面葺き直し・棟瓦積み替え