先日、高圧洗浄を行い、長年の汚れやコケもすっかり落ちて、見た目もきれいな状態になりました。
ですが、防水工事はここからが本番です。
今回は、防水性能をしっかり発揮させるために欠かせない、
下地処理と立ち上がり部分の防水施工についてご紹介します。
【下地処理】防水層の膨れを撤去し、表面を整える
まず行うのが、下地処理です。
既存の防水層を確認すると、経年劣化によって
が見られました。
これらをそのままにして新しい防水材を施工してしまうと、
仕上がりが悪くなるだけでなく、防水材の耐久性も落ちてしまいます。
そこで、劣化している部分をしっかり除去した後、
カチオン系セメントを使用して表面を平滑(なめらか)に整えていきます。
※カチオン系セメントとは、既存のコンクリートやモルタルとの密着性に優れた下地調整材で、防水工事には欠かせない材料です。
【立ち上がり部の準備】アルミ製笠木の取り外し
次に、立ち上がり部分の施工に入るため、
**アルミ製の笠木(かさぎ)**を一度取り外していきます。
笠木とは、ベランダや屋上の立ち上がり部分の上に取り付けられている仕上げ材で、
雨水の侵入を防ぐ大切な役割を持っています。
【笠木の固定方法】構造を理解して丁寧に撤去
今回の笠木は、
金具が立ち上がり面の上部に均等に配置され、ビスで固定されている仕様でした。
撤去の際は、
笠木の手前側を引っ張り上げることで、固定金具から外していきます。
無理に外してしまうと、笠木の変形や外壁の破損につながるため、
構造を理解したうえで、丁寧に作業を進めます。
【マーキング作業】見えないけれど重要なひと手間
笠木を撤去した後は、
どこに金具が付いていたか分かるように、しっかりとマーキングを行います。
この作業を怠ってしまうと、
後で金具を戻す際に位置が分からなくなり、無駄な手間が増えてしまいます。
目立たない工程ですが、
仕上がりと作業効率を左右する大切なポイントです。
【ビス穴処理】雨漏りを防ぐための重要工程
笠木を外すと、どうしてもビス穴が残ります。
この穴をそのままにしてしまうと、
そこから雨水が侵入し、雨漏りの原因になる恐れがあります。
そこで、再度金具を固定する際には、
シーリング材(防水材)をしっかり充填し、
水の侵入経路を確実に塞いでいきます。
【防水強化】笠木下端まで丁寧に施工
防水工事というと、平らな床面だけを想像される方も多いですが、
実は立ち上がり部分や笠木の下端も非常に重要です。
今回は、平面部分だけでなく、
笠木の下端までしっかり施工することで、
より防水性の高い仕上がりを目指しました。
【立ち上がり部の防水】プライマーとメッシュシート施工
立ち上がり面には、まずプライマーを塗布します。
※プライマーとは、防水材と下地をしっかり密着させるための接着剤のような役割を持つ材料です。
その後、
-
メッシュシートを貼り付け
-
動きやすい部分のひび割れ防止を強化
してから、ウレタン防水材を塗り上げていきます。
この工程を丁寧に行うことで、
立ち上がり部分の防水性能と耐久性が大きく向上します。
まとめ|見えない工程こそ、防水工事の品質を左右します
防水工事は、仕上がってしまうと見えなくなる工程がほとんどです。
しかし、
-
下地処理
-
笠木まわりの施工
-
ビス穴や立ち上がり部の処理
といった一つひとつの積み重ねが、
雨漏りしにくく、長持ちする防水につながります。
「どこまで丁寧に施工しているか」は、完成後には分かりにくい部分だからこそ、
私たちは見えないところこそ手を抜かず施工しています。
防水工事やベランダの劣化が気になる方は、
お気軽にご相談ください。