更新日:2023年06月21日
「瓦棒葺き」というのは、屋根を施工する方法の一つです。
「瓦棒葺き」という名称から、屋根材に瓦を用いると思われがちですが、瓦は用いられません。ガルバリウム鋼板やトタンなど、金属屋根材と木材が使用される屋根です。比較的、施工が容易で安価に仕上げることができるため、一定の人気があります。
瓦棒葺き屋根ってどんな屋根?
改めて、瓦棒葺き屋根がどのような屋根なのかを詳しく解説していきます。
使用される屋根材は前述したようにガルバリウム鋼板やトタン(亜鉛めっき鋼板)などの金属屋根材です。特徴的なのは、一定の間隔で角材(芯木)が垂木に取り付けられ、その上に金属板が巻き付けられていることです。芯木は瓦棒とも呼ばれ、「瓦棒葺き」という名称は瓦棒を使用することからきています。
下記画像の様に、屋根の傾きに沿って一定間隔に突起のある形状の屋根が瓦棒葺き屋根です。どなたでも一度は見かけたことがあるのではないでしょうか。
瓦棒葺き屋根のメリットとデメリット
ここからは、瓦棒葺き屋根の特徴を踏まえたメリットとデメリットをご紹介します。
メリット
・重量が軽い
これは、金属屋根全般にも言えることですが、屋根材が軽量であるため、建物の耐震性が高くなります。屋根の重さが軽いほど建物の重心が低くなり、地震の揺れの影響が小さくなります。
・雨漏りしにくい
瓦棒葺き屋根は、棟から軒先まで一枚の屋根材を使用するため、継ぎ目や接合部が少なく、雨漏りしにくい構造になっています。また、継ぎ目がなく屋根に降った雨水をスムーズに排水できるため、通常は雨漏りしやすくなる勾配が緩やかな屋根でも安心して施工することができます。
・費用が安い
比較的容易に施工できるうえ、屋根材であるガルバリウム鋼板やトタンも安価な部類に入りますので費用を抑えて施工することができます。
デメリット
・瓦棒(芯木)の腐食
屋根材を固定するために設置される瓦棒(芯木)が木製であるため、雨水を吸いこんで腐食してしまうことがあります。瓦棒が腐食してしまうと屋根材の固定力が低下してしまいますので、強風による屋根材の捲れや飛散といった被害につながります。
・錆
こちらも金属屋根材全般の話になりますが、金属であるため錆が発生する可能性があります。雨漏りしにくい構造の瓦棒葺き屋根ですが、錆による腐食で屋根材に穴が空いてしまえばもちろん雨漏りしてしまいます。錆を防ぐためには、定期的な塗装メンテナンスが求められます。
芯木のない「立平葺き」
前述したように、芯木が腐食してしまうリスクが瓦棒葺き屋根のデメリットとなりますが、瓦棒葺き屋根と同様のメリットを持ちながら芯木を使わず腐食のリスクを取り除いた「立平葺き」という施工方法があります。屋根材の端と端が噛み合うように折り曲げ加工して組み合わせる施工方法です。近年では、瓦棒葺きに代わって主流になりつつある縦葺き方法です。
瓦棒屋根のメンテナンス
瓦棒葺き屋根に始まる金属屋根の最大の敵は、「錆」です。皆さんも錆びてボロボロになってしまったトタン屋根などを見たことがあるでしょう。ガルバリウム鋼板など、錆に強い素材も登場してはいますが、それでも錆のリスクを完全には排除できません。
金属屋根を長く安心して使用する秘訣は「いかに錆を防ぐか」につきるでしょう。一番大切なのは錆が広がることを防ぐことです。定期的に屋根の状態を点検し、少しでも錆を見つけたらすぐに対策を行う必要があります。最初はほんの少しの錆でも、放置してしまえばどんどん広範囲に広がり、屋根材を浸食していきます。
錆を見つけらた場合には、塗装メンテナンスを検討する必要があります。ケレンがけで錆を落とし、錆止め塗料で塗装することで、錆の浸食を防ぐことができます。また、塗膜がしっかりと屋根材をコーティングしますので、新たな錆の発生も予防することができます。
まとめ
今回は、瓦棒葺き屋根について解説してきましたが、いかがだったでしょうか。費用も安く雨漏りも起こりにくい、さらには耐震性にまで期待できるのですから、非常に優れた屋根と言えるでしょう。定期的なメンテナンスさえ怠らなければ、長期間に渡って信頼できる屋根になるでしょう。少しの油断から錆や腐食の脅威が始まりますので、点検・メンテナンスは怠らないようにしましょう。
私たち「街の屋根やさん」では、瓦棒葺き屋根の点検を無料で承っていますので、どうぞお気軽にお問合せください。
記事内に記載されている金額は2023年06月21日時点での費用となります。
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