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千葉市中央区蘇我でトタン屋根を垂木から作り直して屋根葺き替え
【工事のきっかけ】
千葉市中央区蘇我のお客様から「強風でトタン屋根が剥がされて、飛ばされてしまった。雨が降ったら完全に雨漏りをしてしまう状態なので、早めに対応してほしい。先に養生だけでもしてほしい。」と切実なご相談をお受けしました。雨が降ったら完全に雨漏りをしてしまう状態ということですから、相当な被害を受けたのでしょう。とても心配です。点検したところ、建物は古く、屋根も老朽化していたので、屋根の骨組みからリフォームする大規模な屋根の葺き替えを行うことになりました。
基本情報
先日、お伺いした時は生憎の天候で点検ができず、ブルーシートで養生をして終わりました。その時に判明していたことですが、軒先付近の屋根材はほとんどが剥がれて、野地板が剥き出しになっていました。野地板は現在のような縦幅と横幅のある合板ではなく、横幅の狭い板が並べられて打ち付けられているバラ板と呼ばれるタイプです。
下り棟(隅棟)の板金も飛散しています。見た目でも分かるとおり、屋根材もかなり長い間、設置され続けていたようです。成形金属屋根材(工場で予め加工された金属屋根材)でお施主様はトタンとおっしゃっていました。過去に複数回、塗装されているようです。剥がされた部分を見てみますと、やはり下地がかなり傷んでいます。
こちらの建物、外壁が木材であることからも分かるようにかなり古い建物なのですが、そのまま放置されているわけではなく、定期的にメンテナンスはされているようです。サッシ類はアルミ製へ換装されていますし、置いてある荷物の中には最近のものと思えるものもいくつもあります。ただ、屋根は限界に達していたようです。軒の木材は腐食して折れていました。お施主様のご希望では雨漏りしない屋根にしたいということなので、屋根葺き替えを行います。
屋根葺き替えということで、これまでの屋根材は不要になるので、解体と撤去を進めていきます。まずは棟を解体していきます。屋根塗装でメンテナンスしていたことは分かりますが、それにしてもよくここまで持たせたものです。
屋根材は野地板にビス止めされていました。昔ながらの金属屋根というと、45cm程度の間隔で棒状の突起が並ぶ瓦棒が一般的で、こういった成形金属屋根材は珍しいものです。成形金属屋根材を剥がしていくと、野地板が見えます。塗装されていなかった金属屋根材の裏面は錆だらけです。
金属屋根材をすべて剥がしましたが、解体はまだまだ終わりません。かなり前から屋根材の下に雨水が浸入していたのでしょう。野地板は大部分が湿っており、腐食している部分もあります。こちらも剥がしてしまいましょう。
野地板を剥がしたので、骨組みだけの屋根となりました。現在の家では見ることができない構造、角材ではなく木の皮を向いたものをそのまま梁に使っています。力強さを感じる上に美しい造りです。
まだまだ解体は終わりません。この際なので傷んでいる垂木も取り換えてしまいましょう。その前に小屋裏の床面の清掃です。垂木を取り外したので、掃除をするのもかなり楽になりました。おそらく、ほとんどの場合、屋根裏部屋でもない限り、小屋裏をしっかり掃除することなどないと思います。
垂木は使える部分は残して、傷んでいる部分を交換しました。と言っても、かなりの部分を交換したのが画像からよく分かると思います。軒の部分には補強をいれたところもあります。外枠だけを残して、他は全部が新しくなった印象を受けます。
野地板として使用する構造用合板を屋根に合わせて加工します。お施主様の庭先をお借りして、そこでサイズ調整を致しました。野地板からバラ板から構造用合板に変更することによって、屋根の強度もかなり上がります。
屋根全体に野地板を取り付けましたら、防水紙を敷いていきます。一時はボロボロだった屋根がここまで新しくなりました。防水紙は表面の屋根材の下に進入した雨水を室内側へ行かないようにするための必要なものです。屋根からの雨漏りの場合、ほとんどは防水紙の不具合が原因です。
防水紙を屋根全体に貼り合わせましたら、次は屋根材を固定するための桟木を取り付けていきます。これまでの金属屋根材は直に野地板に固定されていましたが、これからは桟木に固定されます。下地と密着しないので、通気性も確保されます。
桟木を取り付けると同時に貫板も取り付けていきます。今回はこちらにガルバリウム製の波板を取り付けて屋根として使用します。棟板金もガルバリウム製です。これまでのトタンよりも3~6倍の耐久性があると言われています。錆びにくく、長持ちです。
ガルバリウム製波板は桟木の部分に傘釘で固定します。傘釘なんて普段の生活ではなかなか聞かないでしょうが、部材を固定する面積が広くなるように釘の頭が広げられるものや釘の頭の下にそういった物が取り付けられているものです。画像のように傘に似ていることから傘釘と呼ばれます。こちらは波板の形状にフィットするような傘の形をしています。
波の頂点部分に釘を打つにはちょっとしたコツが必要です。半円になっていますし、後半は0.5mm程度の厚さしかないので凹みやすいからです。波板の取り付けが終わりましたら、棟板金を取り付けるための貫板を固定していきます。
棟板金を取り付けが終わりましたら、屋根の完成です。成形金属屋根から金属波板の屋根に生まれ変わりました。これで雨漏りすることはありません。これまでの屋根のように、塗装でメンテナンスしてあげれば、長持ちさせられますので、忘れずに行ってあげましょう。
野地板の増し張りや一部の交換などはよくあるのですが、屋根リフォームで屋根を骨組みまで解体して垂木を交換するというケースはなかなかありません。垂木の交換、母屋の補強、野地板の増し張りと下地をしっかり補強しましたので、以前の屋根より強くなりました。これで強風の日も、豪雨の日も、暴風雨の日も安心してお過ごしいただけると思います。
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