玄関に入ると、数カ所に雨漏りの形跡がありました。

玄関の右奥、トイレの前の天井にも雨染みがありました。

天井から浸入した雨水は床まで達し、全体に雨染みが広がっていることから、多量の雨水が浸入したことが分かります。

玄関を入ってすぐ左の天井・壁にも雨染みが残っていました。

U様邸の穴があいた谷樋板金です。谷板金は二つの屋根面から雨水が流れ込んでくるため、このような小さな穴でも、大量に雨水が入ってしまいます。

U様邸は雨樋も銅製のものを施工されており、谷板金と同様に数カ所で穴があいていました。

雨漏りしている玄関屋根の棟の内側にも雨水が廻った形跡がありました。

玄関屋根の谷板金の先には短い隅棟があり、端に詰められた漆喰が劣化してポロポロと剥がれていました。

玄関屋根の棟ののし瓦の表面は経年劣化と凍害により表面が細かく割れて剥がれている状態でした。

瓦が凍害でバラバラになっている状態です。

谷板金は、棟と隣り合わせになっている為、瓦の一部がお互い干渉しています。（谷樋の上には棟の瓦が一部のっています）そのため、谷板金を交換する際には、棟の瓦の谷板金に干渉している部分を一部解体し、積み直す必要があります。

続いて、谷板金の際の瓦をめくっていきます。

谷板金の両際の瓦と葺き土を撤去しました。

反対側の谷板金も交換しますので、同じように際の瓦をめくっていきます。

短い隅棟も一度解体し、谷板金を交換した後に復旧します。

この隅棟は谷板金の先にあり、谷板金に干渉してる部分です。

新しく使用するのはガルバリウム鋼板の谷板金です。

谷には2枚のガルバリウム鋼板を繋いで施工します。（谷の大きさによって枚数は異なります）

谷板金を施工した後、両際に良く練り込んだ葺き土をのせて、瓦を葺いていきます。

谷板金の両側の瓦を復旧し、下地の葺き土が流れないように漆喰を詰めて処置しました。

玄関屋根の棟の積み直しです。

既存の棟には下地に葺き土を載せていましたが、今回はなんばんを使用します。

なんばんを載せて、屋根面の両側にのし瓦を積み上げていきます。既存と同じようにのし瓦を3段積み上げて一番上に冠瓦を載せて固定します。

下地として載せたなんばんの表面を整えました。

のし瓦を３段積み上げて、一番上に半丸状の冠瓦を載せて先に仕込んでおいたステンレス線を回して通し固定します。

冠瓦を載せて、ステンレス線で固定して棟の積み直し完了です。凍害で傷んでいた瓦は新しい瓦に交換したので見た目も美しく仕上がりました。

谷板金の先の隅棟も同じ手順で積み直しました。

なんばんの上にのし瓦を載せて、表面を押さえて整え、間に葺き土を挟んで瓦を積み上げていきます。

隅棟の端部から雨水が入らないように漆喰を多めに詰めてきちんと防水・固定しました。

谷板金の交換と各棟の積み直し完了です。

穴があいていた銅製の谷板金を丈夫で長持ちするガルバリウム鋼板の谷板金に交換したので、今後安心です。

凍害でのし瓦の表面が割れて剥がれていた棟を積み直しました。のし瓦が新しくなりましたので、凍害の心配もありません。

銅製の軒樋（横方向の雨樋）にも穴があいていたので、シーリングを充填して応急処置させていただきました。