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四街道市みそらでガイドライン工法による棟取り直しで瓦屋根を軽量化
【工事のきっかけ】
漆喰の変色とひび割れが気になってご相談いただいた四街道市みそらのお客様です。飛び込み業者に漆喰の傷みと棟の歪みを指摘され、屋根のことをかなりご心配されていました。瓦屋根は重いから地震が来る前に葺き替えた方がいいとも言われたそうです。確かに瓦屋根は重いのですが、地震に弱いかどうかはお家の造りや工法に大きく左右されます。今回は棟取り直しを新工法で行い、屋根を軽くします。
基本情報
飛び込み業者に漆喰の傷みと棟の歪みを指摘されたという瓦屋根です。おそらく飛び込み業者は適当なことを言って、工事の契約をしようとしただけでしょうが、屋根が問題を抱えているのは事実でした。棟が歪んでいますし、漆喰も傷んできています。
漆喰が砂のようになっています… これ、本当に漆喰なのでしょうか。くすんで茶色を含んだ灰色になっていますし、かなりザラザラしています。見た目がかなりセメントに近いようにも思えます。本来であれば銅線を仕込むのは最下段の熨斗瓦(のしがわら、平たい長方形の瓦)の下になるはずですが、その上になっています。かなり前にやはり飛び込みできた業者に工事してもらったそうですが、ちょっと疑問が残る施工をされたようです。
お施主様は屋根の重さも気にされていたので、棟の取り直しとともに軽量化も行います。具体的には現在、5段積み(熨斗瓦4段+丸瓦)となっている棟の熨斗瓦を全て撤去し、棟を丸瓦のみとするのです。熨斗瓦の種類にもよりますが、こちらの屋根の棟の長さを10mですので、1段で約80kgの軽量化になります。これに葺き土と漆喰の重さが加わりますので、4段全てを撤去しますと、320kg以上軽量化となります。棟を解体し、撤去していきます。
棟の瓦を撤去しましたら、補強金具を取り付けていきます。この補強金具、丸瓦を取り付ける芯材を固定するものです。芯材は腐食に強い樹脂製のものを使用します。水分も吸収しませんから、腐食しません。
補強金具と芯材を守り、瓦の隙間から雨水が入らないように乾式面戸ハイロールを貼っていきます。こちらは貼る面に接着剤が予め塗られておりますので、瓦にもしっかりと接着することができます。これで棟から雨水が入ることもなくなりました。
芯材に丸瓦を固定していきます。銅線などではなく、今回はビス止めです。しっかりと固定されるので、強風や地震などで動いてしまい、ずれる心配もありません。
ビスはパッキン付きの上、ステンレス製のため、錆びることもありません。また、ここから雨水が入る可能性もほぼありません。これまでの屋根に較べてかなり強い屋根になりました。
棟の取り直しのみで240kg以上の軽量化に成功しました。また、以前よりも風にも、地震にも強く、それが長続きする瓦屋根となりました。熨斗瓦の段数は屋根の華美さを表すものなので、段数が多ければそれだけ格式も高く、立派ということです。そういったことに拘らないのであれば、棟取り直しの際には熨斗瓦を撤去して瓦屋根のダイエットをすることをお勧めします。
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