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オリンピックは大丈夫?新国立競技場の屋根について
更新日:2015年11月17日
2020年に開催されるオリンピックのメイン会場となる新国立競技場の屋根の建設が間に合わない。と、ニュースなどでも一時期話題となりましたが、本日は屋根繋がりということで新国立競技場の屋根について考察してみたいと思います。
新国立競技場は当初2012年にイギリスの建築家がデザインしました。当初の案では天候にかかわらず使用できる開閉式の屋根と、約8万人を収容できるスタンドを備える施設になる予定でした。しかし、既存の国立競技場の建替えは、予算1300億円の予定でしたがデザイン通りの設計に作ると予算が倍以上に膨らむことが判明しました。そこで、予定のデザインのテイストを残しつつ大幅に規模を縮小し1692億円で予算を修正したうえで建設に取り掛かる流れとなりました。
しかし、資材の値上がりや消費税の増税などにより総工費が上回る可能性が出てきたことで、建設プランの変更をすることになりました。そのプランでは、屋根をオリンピック開催後に建設する見通しになることや、当初計画していた8万人収容の一部を架設スタンドとして、オリンピック後に5万人規模に縮小される予定だといわれています。
屋根を後付けするとなれば、やはりさまざまなリスクも発生してきます。まずは、足場の架設にかかる費用の問題です。当店でも屋根の修理や葺き替え、カバー工法などを行うにあたり足場を架けることは施工スタッフの安全面や作業の効率化に必要不可欠な部分となります。
足場の架設には費用がかかるために屋根修理をする場合、まとめて外壁塗装を行ったり雨樋の交換などをおこなったりと足場代の節約のため、様々な工事をまとめて行う場合が多いのです。一般的な住宅では、足場の架設はざっくりですが15万円~20万円ほどを見ておけば対応できると思います。しかし、述べ床面積29万㎡の新国立競技場に足場を架けるとなれば少し想像しただけでも、莫大なコストがかかることは間違いありません。正直に言ってしまえば、この足場代はスケジュールや予算設計の甘さから出た無駄なコストになってしまうのです。
また、リフォーム業などを含む建設業界にとって、建材のコストの上昇は苦しい問題です。例えば同じ屋根の葺き替え工事を行うにしても現在の価格から材料のコストが2倍に上がってしまったと仮定して1年後、2年後に材料費が高騰したまま、同じ価格で同じ価格で工事を施工することが出来るかと言えば、相当な企業努力が必要だと言えるでしょう。
さまざまな問題を抱える新国立競技場の建設ですが、2020年のオリンピック前に2019年のラグビーW杯の会場となることからも、タイムリミットは2019年ということで、およそ4年ほどしか残されていません。この後のニュースが気になりますね。
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